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 国がふるさと納税の対象自治体から外したのは違法だとして、大阪府泉佐野市が除外処分の取り消しを求めた訴訟の上告審で、最高裁第三小法廷(宮崎裕子裁判長)は30日、市側の敗訴とした大阪高裁判決を破棄し、総務相の除外処分を取り消す判決を言い渡した。国が過去の募集態様を問題にしたのは違法で、除外処分は無効と判断した。

 2008年度に始まったふるさと納税制度をめぐっては、自治体間の激しい返礼品競争が問題になり、19年6月からは総務相が指定した自治体だけが使えるように制度が変わった。「返礼品は寄付の3割以下の地場産品」に限るとされ、総務相は直近半年間に制度の趣旨に反する募集をしてこなかったかも考慮すると指定基準を告示した。

 地場産業と関係のない高額の返礼品やアマゾンギフト券などで多額の寄付を集めた泉佐野市など、4自治体が不指定に。同市は仲裁機関の国地方係争処理委員会に審査を申し立てた。委員会は「再検討」を勧告したが国が従わなかったため、市は地方自治法に基づき一審となる大阪高裁に提訴した。

 裁判では、除外処分が総務相の裁量の範囲内かどうかが主な争点となり、今年1月の高裁判決は「趣旨に沿った運用に戻すために過去の取り組みを考慮したのは裁量の範囲内」と市の請求を棄却した。

 上告審で市側は、全国の1割近くにのぼる突出して多い寄付を集めた手法について「違法なことはしていない」と主張。19年6月からの新たな規制に従うと表明しているのに、過去の募集態様を理由に除外したのは「裁量権の乱用だ」と訴えた。

 国側は「社会的な儀礼を超えた返礼品をあげたり過剰な宣伝をしたりする募集は、地方の応援という趣旨に反している」と指摘。泉佐野市がやったような「乱用的運用」で制度の存続が危ぶまれる事態になったとし、募集を適正にする指定制度の趣旨からして、過去の行いを考慮しても許されると反論していた。(阿部峻介)