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 国連人口基金(UNFPA)は30日、出産前後の性差別によって「消失」した女性がこの5年間で640万人に上った、という推計を発表した。UNFPAは女性差別をなくすための対策を続けているが、新型コロナウイルスの感染拡大で一部の支援が滞り、悪影響を懸念している。

 UNFPAによると、男児と比べた出生率の低さや出産後の死亡率などから推計すると、「生きていたはずなのに、消失した女性」は1970年時点で6100万人いた。一部の国で女児であれば中絶したり、育児放棄したりするためだ。この傾向はその後も一定の割合で続いており、今年までに累計で約1億4千万人に上る。特に、中国では累計7230万人、インドでは同4580万人が「消失」したという。

 UNFPAは「世界人口白書」を毎年公表しており、今年は女性の人権侵害に焦点を当てた。処女検査や、性被害から守るために乳房を焼き潰す「胸アイロン」といった19の行為を「有害な慣行」と認定。世界で性器切除(FGM)を経験した女性は2億人、児童婚をした少女は6億5千万人いるという。

 UNFPAはこうした差別をなくすための支援に取り組んでいるが、新型コロナによって一部の政策が中止を余儀なくされている。ナタリア・カネム事務局長は会見で「女性をモノのように扱うことをやめ、全ての人間には平等な権利があるということを理解しなければならない」と訴えた。(ニューヨーク=藤原学思)