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 集団的自衛権の行使を認めた安全保障関連法は違憲だとして、沖縄県内の戦争体験者や米軍基地の周辺住民ら計82人が、国を相手取り1人1万円の国家賠償を求めた訴訟の判決が30日、那覇地裁であった。平山馨裁判長は請求を棄却し、憲法判断はしなかった。

 原告側は、2016年施行の安保法で認められた集団的自衛権の行使について、憲法9条の解釈を否定し、違憲と主張。原告側が安保法施行により侵害されたと訴えた「平和に生きる権利」(平和的生存権)について、判決は「具体的な権利として保障されていると解することはできない」として退けた。

 戦争に巻き込まれる危険性が高まるとの主張についても、原告らの安全が侵害される具体的な危険が発生しているとは認めがたいと判断した。ただ、太平洋戦争末期の沖縄戦や米軍統治などに触れ、沖縄に集中する米軍基地は戦争時に標的になりうるとして「本土の市民が抱く危惧に比べ、より切実性のあるものと捉えられていることは十分理解できる」とした。

 その上で、憲法解釈によって存否が左右される具体的権利が認められないなどとして、憲法判断は不要と結論づけた。

 同様の集団訴訟は22地裁で25件起こされ、原告は約7700人。これまで5件の地裁判決はいずれも憲法判断をせず、原告側が敗訴している。(岡田将平)