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 新型コロナの影響で、企業などでは在宅勤務が広がった。高齢の親を介護しながら働く人は、自宅で仕事をしつつ介護もする難しさに直面している。介護サービスの利用を控えて家族の負担が増えるケースも出ている。仕事と介護の両立を支援する団体は、コロナ禍の中で介護離職や高齢者虐待が増えることを防ごうと相談態勢を強化する。

ウェブ会議中 ふいに母が

 7月中旬の夕方、都内の自宅で仕事中の会社員、長田寛子さん(36)の業務用スマートフォンにメールの受信通知が表示された。隣にいた母のヨネさん(73)が手をのばしてさわりたそうにするが、「ごめんね。大事なメールだから」と、母の手をとめた。

拡大する写真・図版自宅で仕事をする長田寛子さん(左)。母のヨネさんがパソコンに興味を示してさわりたそうにするのを制することもある=東京都

 アルツハイマー型認知症の母と兄(45)と同居する長田さんは、都内のソフトウェア会社で派遣社員として働く。社内外の会議や幹部社員の予定の調整などが主な業務だ。

 全社員が在宅勤務になった3月以降、母がデイサービスに行って長田さんが1人になる時間帯は仕事に集中。午後5時ごろ母が帰宅した後は、母のトイレや水分補給を気遣いながら仕事を続ける。

 7月から兄の家に引っ越して3人で暮らすようになり、「夜や休日は介護を分担でき、気が楽になった」。ただ、兄は基本的に毎日出勤。日中、母が家にいる時の食事やトイレ、介護は長田さんが担う。

 都内で感染者が再び増えていることに不安を感じている。「私や家族が感染する心配もあるけれど、感染拡大の影響でデイが休業になってしまったら。一日母と過ごして仕事ができるかどうか」

 4~5月も母が通っていたデイサービスは変わらず週5日利用できたが、感染防止として通常よりも時間が2時間ほど短くなり、午後3時ごろには帰ってきた。夕方にウェブ会議に参加していた時、ふいに母に声をかけられて会議の内容が聞き取れず、ひやひやしたこともある。母がいても、勤務時間中はパソコンの前から動けない。

拡大する写真・図版デイサービスから帰ってきた長田寛子さん(左)の母・ヨネさん(中央)。在宅勤務になってから、余裕をもって母を出迎えられるようになった=東京都

 在宅勤務になったことでよいこともある。往復約2時間の通勤時間がなくなり、出勤していた時は午前10時から午後5時の時短勤務だった労働時間を、午前9時半から午後6時まで延ばせた。以前は朝、母を送り出して職場に向かい、帰りも母が帰ってくるのに間に合うように急いで帰宅していた。今も朝は母の身支度などで忙しいため、始業の時間は繰り上げているが、「長く働けるようになって、任される仕事も増えてきた」という。

 長田さんは仕事と介護の両立に悩み、今までに3度、転職を経験した。

 通帳をよくなくすようになった…

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