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 2016年に中国主導で開業したアジアインフラ投資銀行(AIIB)が7月下旬、5回目となる年次総会を北京で開いた。強まる米中対立に新型コロナウイルス禍が重なり、堅調な経営を続けてきたAIIBも岐路に立っている。2期目の続投が決まった金立群総裁は7月29日、朝日新聞の単独インタビューに応じた。新型コロナによる経済危機対応として加盟国への財政支援を積極的に進めながら、25年までに気候変動対策の融資を総融資額の半分にまで引き上げる目標を語った。

拡大する写真・図版朝日新聞の単独インタビューに応じるアジアインフラ投資銀行(AIIB)の金立群総裁=2020年7月29日、北京市、福田直之撮影

【アジアインフラ投資銀行(AIIB)】
アジアの膨大なインフラ建設需要に対応し、投融資を提供する開発金融機関。現在、103カ国が参加しており、設立を主導した中国が26・6%と最大の議決権を持つ。 2013年に中国の習近平国家主席が設立構想を表明。16年1月に開業し、これまでに計196億㌦(約2兆円)の投融資をしてきた。投融資の対象になるアジアの途上国だけでなく、日米を除く先進国7カ国(G7)はすべて参加ている。 競合するアジア開発銀行(ADB)を主導してきた日米は一貫して距離を置いているが、加藤隆俊元財務官が国際諮問委員会のメンバーに入っており、日本人職員もいる。

――新型コロナウイルスは銀行経営やプロジェクトの実施にどのような影響を与えていますか。

 「総額130億ドル(1.4兆円)のコロナ危機対応の資金枠『新型コロナウイルス危機復興ファシリティー』を設け、コロナ対策で財政が逼迫(ひっぱく)する国々(インド、インドネシア、フィリピンなど)にすでに計60億ドル(約6350億円)を貸し出しました。過去の融資総額(196億ドル)の約3分の1にあたります。コロナで苦しむ国々に対して(金利の減免など)金融支援や医療機器・設備、防護服なども支援しました。(コロナ禍による)経済の減速は(銀行経営にも)大きな圧力になっていることは否定しません。大勢に影響は出ていませんが、一部には困難も出るでしょう。プロジェクトを正常に進めるためにも、各国の財政に支援をしているのです」

 ――経験のない財政支援には行内でも反対があったそうですが。

 「反対ではなく、議論がありました。我々はインフラ投資銀行として、本来は無償援助や財政支援はしてきませんでしたし、保健衛生分野に対しては経験もありません。しかし、世界経済にも加盟国の人々にも緊急事態です。理事会で議論し、臨時措置として踏み切りました。専門家を招聘(しょうへい)したり、世界銀行やアジア開発銀行(ADB)の知見を借りた協調融資をしたりして実施しました」

――開業から19年まで件数ベースで半数強が世銀やADBとの協調融資です。単独での事業が少ないのではないのではないでしょうか。

行員の能力、高める必要

 「今後は単独の融資を増やす方向です。行員の能力を高める必要があります。ただ、協調融資は引き続き必要だと考えています。インフラ建設は巨額の資金が必要で、1行だけではまかない切れない場合も多い。さらに、借り入れ国の立場でも、リスクを分散させる意味で同じ貸し手に集中させないようにしています」

 ――今後の融資の重点はなんで…

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