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 新型コロナウイルス感染の第2波に備え、山梨県が医療体制の見直しを加速させている。新たな推計では最大約250人の患者を病院などに受け入れる必要があり、地域ごとに病床を用意する方針だ。

 県はピーク時に病床250床、軽症者向けの宿泊療養施設100室の確保を目標に掲げた。県によると、病床は8病院と計220床の確保で合意した。宿泊療養施設はすでに100室を確保しているという。

 県内では7月7日に入院患者がゼロになったが、同中旬以降に新たな感染確認が相次ぎ、増加ペースは上がっている。長崎幸太郎知事は7月29日の記者会見で、「本県は東京との往来がたいへん多い。これまで以上に警戒するべき場面だ」と述べた。

 第2波に備えた患者推計は、厚生労働省が6月に示したシナリオに基づく。以前は中国・武漢の状況をもとに計算したが、今回は国内の感染状況や外出自粛、休業要請などの効果も加味。高齢化が進む県内の実情も考慮し、年代別の患者数や入院日数などを設定したという。

 その結果、ピーク時の患者数は246人とはじき出され、3月の当初推計(1500人)の6分の1に減った。それでも、同時に受け入れることになれば、病床や宿泊療養施設を計画的に確保する必要がある。

 そこで県は、感染の波を4段階に分け、それぞれの確保目標を設定した。①入院患者が30人に達するまでは「警戒期」②60人までは「拡大初期」③120人までは「急速拡大期」④120人以上になると「蔓延(まんえん)期」――としている。

 病床は主に、地域ごとに指定される重点医療機関が用意する。四つの医療圏(中北、峡南、峡東、富士・東部)を目安に地域を分け、峡南地区では富士川病院(富士川町)が指定された。ほかの地域でも病院側と協議中だという。

 富士川病院は感染症指定医療機関で、もともと感染症対応の病床が4床用意されていた。今後、状況次第では数十床の確保が必要で、ほかの患者を転院させたり、医療従事者を集めたりする。志村敦事務部長は「地域の安全を守るために、いろいろな状況を想定して準備を進めている」と話す。

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 山梨県は新型コロナウイルス対応の会議の発言録や音声の録音データ、担当職員のメモなどすべての資料を保管する方針を決めた。長崎幸太郎知事は「個人的なメモに至るまで保存し、歴史の審判を受けられるようにする」と話す。

 知事を本部長とする新型コロナの総合対策本部会議は、7月8日の第12回会議から発言内容などを詳細に記録する。それ以前の会議についても、記録の保存と整理を進めるという。(吉沢龍彦)