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 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が31日、感染状況を地域ごとに4段階に分け、段階に応じ対策を取る考えを示した。緊急事態宣言は最悪の段階の予兆が見えてから検討する最終手段という位置づけだ。段階の判断に用いる具体的な指標づくりは持ち越された。

 東京都や大阪府の現状は「感染漸増」とされ、分科会の案では下から2番目の段階だ。多くの重症者、死者が生じ始める「感染爆発」は最悪の4番目で、尾身茂会長は会見で「感染爆発段階に入ってから緊急事態宣言を出しても遅い。仮に出すなら、この段階に行く前に予兆を見つけてすぐにやる」と説明した。

 段階の判断は、医療の逼迫(ひっぱく)具合を重視し、重症者の病床や重症化しやすい60代以上の感染者数などを挙げ、検査数と陽性者の割合(陽性率)や、新規感染者数などもみるとしている。

 だが、感染爆発手前の3番目の段階でも、クラスター(感染者集団)が各地で相次ぎ、一般医療に大きな影響が出ているという状況だ。医療提供体制を重視した指標による判断について、メンバーの平井伸治・鳥取県知事は終了後、「ここに至らなければ何も対策しなくてもいいと思われかねない」と懸念した。

 分科会は、感染状況や対策の検討には、大都市と地方の違いの配慮が必要だとし、さらに時間をかけて都道府県と調整する方針だ。ただ、分科会の資料によると、7月1~28日に生じたクラスターは会食で31件計125人。職場でも53件213人に及ぶ。「感染者が急増している都道府県では、もう何らかのアクションを起こさないと正直厳しいという認識は持っている」とあるメンバーは話す。都道府県で独自の自粛要請や緊急事態宣言を出す動きが広がる。

 都は8月3日から、都内全域の酒類を提供する飲食店などに営業時間の短縮を要請。岐阜県は7月31日、独自に非常事態宣言を出した。政府の具体的な対策が打ち出されないなか、自治体の危機感は高まるばかりだ。

 東京医大の濱田篤郎教授(渡航医学)は、東京などが下から2番目の「漸増」とされている点について、「感染者数でも地域的にも感染が広がるなかで、何を根拠に判断したのか説明が足りない」と話す。感染者を受け入れる医療機関は、続く緊張感や経営面から疲弊しているという。「政府は、第1波のとき以上に先手を打って拡大防止策や医療機関の支援をしなければ、あっという間に『感染爆発』につながりかねない」と訴える。

政治判断の余地を残したい政府

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