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 草木染めと紬(つむぎ)織り、古来の民の手仕事を芸術の域に高めた染織家・志村ふくみ。経糸と緯糸の組み合わせという制限の中で生み出されるイメージは、抽象・具象の枠組みを超えて自在に遊ぶ。95歳を迎えた人間国宝の歩みをたどる展覧会が、兵庫県の姫路市立美術館で開かれている。

拡大する写真・図版「梔子熨斗目(くちなしのしめ)」1970年=滋賀県立近代美術館蔵

 33歳で初出品した日本伝統工芸展で入選した際、染色家の芹沢銈介(けいすけ)からこの先も植物染料と平織りだけを続けるかと問われたふくみは、即座に肯定したという。モンドリアンの三原色を思わせる入選作「方形文綴織単帯(ほうけいもんつづれおりひとえおび)」は、複雑な技法も化学染料も必要としない表現の原点となった。

 後にゲーテやドイツの思想家シュタイナーの色彩論に傾倒するふくみが、制作初期に熱中したのがクレーだ。「当時住んでいた近江八幡と東京を行き来する列車でよく母に画集を見せられて、どの色が好きだとか何時間も話した」と、娘で染織家の志村洋子は振り返る。

拡大する写真・図版「どんぐりグレイの段」1988年=滋賀県立近代美術館蔵

 素朴で透明感のあるクレーの色…

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