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 「かっとばせー、(高橋)周平」。中日の本拠開幕戦となった先月26日からの広島3連戦。右翼席に設けられた二つのスピーカーから、打者ごとに応援歌が流れていた。応援団が演奏し、歌う音声がナゴヤドームに響き、にぎやかだった。無観客のため、球団がファンの声援や歓声の代わりにと企画したものだ。

拡大する写真・図版6月19日の今季開幕戦のヤクルト戦(神宮)。ヘッドスライディングして生還、泥だらけになった高橋周平=上田潤撮影

 それが、30日の阪神戦から、応援歌は得点圏に走者がいる時にしか響かなくなった。

 少し寂しくなったのはなぜか。球団によると、スピーカーからの応援歌が普段の生の声や演奏と違うため戸惑う選手がいたという。球団は監督や選手と話し合い、好機の時だけ流すことに決めた。

 横浜でのDeNA戦で3連敗したあと、広島戦は1勝2敗。球団関係者は、「負けが込んでいた。勝っていれば、そのままだったかもしれない。流れを変えたかった」と言う。

拡大する写真・図版6月26日、中日の本拠開幕戦。広島の鈴木誠の中越え本塁打の打球が、無観客のスタンドを歩いていたドアラの近くに落ちた=上田潤撮影

 前夜、いつもと違う応援が鳴りを潜めたドームで、チームは5―0で快勝した。この日は今季初の連勝。選手には、機械的に流れる音声が雑音になっていたのかもしれない。「通常の応援ができる日が一日も早く来ることを願うばかり」と球団担当者。やっぱり、本物の応援がいい。(木村健一)