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 ハンセン病患者とされた男性が殺人罪などに問われて死刑を執行された「菊池事件」をめぐり、国家賠償請求訴訟を起こした元患者と弁護団が1日、検事総長に対し事件の再審請求をするよう求める要請書を熊本地検に提出した。

 事件では1957年、国立療養所菊池恵楓園(熊本県合志市)への入所を勧告されていた男性の死刑が確定。その後、再三の再審請求が退けられ、62年に死刑が執行された。男性の親族が差別を恐れるなどして再審請求に慎重なため、2012年、元患者らが検察官による再審請求を求めた。

 検察庁は応じず、元患者らへの偏見・差別が解消されないなどとして、17年に国賠訴訟を提訴。熊本地裁は今年2月、隔離されたハンセン病療養所で男性を裁いた「特別法廷」を違憲とする判決を出し、確定した。

 元患者側は要請書で、熊本地検が再審請求をしない理由に挙げていた「事件における憲法違反の認定が困難」などとの主張を、地裁判決は「全面的に否定した」と指摘。「憲法違反の(菊池事件の)確定判決を是正することは憲法によって検察官に課せられた職務上の義務」と訴えている。

 弁護団によると、事件の早期解決を目指し、検察側に8月末までの回答を求めている。検察が再審請求を退けた場合は、国民を請求人とした再審請求を試みるという。元患者の竪山勲さん(71)=鹿児島県鹿屋市=は要請書提出後の会見で、「違法に裁かれたすべての事件について見直すのが法曹三者の責任」と話した。(大木理恵子)