拡大する写真・図版焼き物=三重県志摩市、上田潤撮影

[PR]

 「シマカン」の愛称で親しまれる三重県志摩市の志摩観光ホテルが、洋食では幅広く使われているシカやイノシシなどのジビエを和食の分野にも採り入れている。2021年に創業70周年を迎える老舗が「新機軸」に挑む背景には、2代目和食総料理長の塚原巨司さん(53)の強い思いがあった。

 6月下旬。「ザ ベイスイート」4階にある和食レストラン「浜木綿(はまゆう)」の調理場に塚原さんはいた。

拡大する写真・図版焼き物のシカ肉とシシ肉に包丁を入れる塚原巨司・和食総料理長=三重県志摩市、上田潤撮影

 伊勢志摩でとれたシカとイノシシの肉を使い、2人の料理人に指示を出しながら、9月から提供する会席料理「伊勢志摩ジビエ~里山里海 豊かな恵み~」を作る。

 前菜は7品。原木シイタケの上につみれ状にしたイノシシをのせた「二味焼き」はほんのりと甘く、菊菜のおひたしと一緒に添えたさっぱりとしたシカの燻製(くんせい)は食欲をかき立てる。

拡大する写真・図版前菜を盛り付ける=三重県志摩市、上田潤撮影

 続くイノシシの土瓶蒸しは上質な脂が溶け出した香り立つ逸品。丁寧に包丁を入れたカブの中にはひいたシカを仕込んで炊き合わせ、シカの塩焼きとイノシシのくわ焼きは火加減を調整して硬くならないように仕上げる。

拡大する写真・図版シカ肉とシシ肉を網で焼く=三重県志摩市、上田潤撮影

拡大する写真・図版焼き物=三重県志摩市、上田潤撮影

 脂の多いイノシシのロースを使った小鍋には、地場産のキノコをふんだんに添える。そして、低温調理で絶妙な柔らかさを保つシカとイノシシの握り。最後はさっぱりとした味わいの水菓子で締めくくった。

 同ホテルでは、今年3月からジビエの和食会席料理をメニューに加えた。

拡大する写真・図版志摩観光ホテル「ザ ベイスイート」の和食レストラン「浜木綿(はまゆう)」=三重県志摩市、上田潤撮影

志摩観光ホテル
 1951年4月3日、客室25室、定員48人で開業した戦後初の純洋式リゾートホテル。同年11月22日には地方で戦後の復興状況を視察した昭和天皇が宿泊した。69年には新館(現在のザ クラシック)が完成し、2008年に「ベイスイート」(現在のザ ベイスイート)が開業。16年の主要7カ国(G7)首脳会議(伊勢志摩サミット)では国際会議の舞台になり、7代目総料理長の樋口宏江シェフが腕を振るった。

拡大する写真・図版志摩観光ホテル「ザ ベイスイート」=三重県志摩市、上田潤撮影

 フレンチを専門とする7代目総料理長の樋口宏江さん(49)はしばしばジビエを使う。ただ、鍋物くらいしか思いつかない和食の分野では、ジビエは「未知の食材」でもあった。

記事の後半では調理の動画も紹介しています。

拡大する写真・図版シカ肉と魚介のすしを握る=三重県志摩市、上田潤撮影

拡大する写真・図版食事「鹿肉と魚介のすし」=三重県志摩市、上田潤撮影

 一方、同ホテルは料理を通して…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら