企業型保育の監査厳しく 助成金詐欺受け全対象施設点検
浜田知宏
企業が設置する保育所への助成金の詐欺事件が相次いでいることを受け、内閣府は30日、施設への指導・監査基準を新たに決めた。悪質な施設には新規利用者の募集停止措置をとれるようにし、保育士などの専門家を交えて調査結果を点検することを明記した。8月から適用し、年度内に全対象施設を点検する。
国の企業主導型保育事業は2016年度に始まったが、整備費をめぐる助成金詐欺事件などが相次ぎ、審査や指導監査の甘さが問題化した。
これまでは指導しても改善が見られない施設や不正が判明した施設に助成決定を取り消す措置をとってきた。新基準では、取り消しに至らない事例でも新規利用者の募集停止措置に踏み切れるようにした。必要に応じて保育士を調査に同行させ、調査結果を評価する際には専門家を交えることで、指導・監査に専門的な目線を採り入れる。
事業を運営する公益財団法人「児童育成協会」については、今年4月1日時点で約140人だった職員を今年度末までに約250人にする増員案を公表した。(浜田知宏)
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