拡大する写真・図版「リッチモンドリバー・エクスプレス・エグザマイナー」の小さな事務所にいるのは、編集長兼記者のスザンナ・フレイマークさん一人だ。手にしているのは、新聞を発行してきた150年を振り返った号の紙面=2020年6月22日、カシノ、小暮哲夫撮影

[PR]

 オーストラリアで6月、地方紙36紙がその歴史を終えた。新型コロナウイルスの感染拡大が、以前から厳しかった経営に追い打ちとなったのだ。19世紀から地域の姿を伝え続けてきたある地方紙の「最後の一日」を訪ねた。(カシノ〈豪南東部〉=小暮哲夫)

町の騒動伝えて150年 歴史に幕

 シドニーから北に700キロ。ニューサウスウェールズ(NSW)州北部のカシノは、人口1万1千人の町だ。こぢんまりした商店街に、週刊紙「リッチモンドリバー・エクスプレス・エグザマイナー」の小さな事務所があった。

 ノートパソコンに向かっていたのは、スザンナ・フレイマーク編集長(58)。記者は彼女1人。取材、写真撮影、執筆、紙面記事のレイアウトまでこなす。

拡大する写真・図版事務所を訪ねてきた女性に最後の取材をするスザンナ・フレイマーク編集長(左)=2020年6月22日、カシノ、小暮哲夫撮影

 訪れた6月22日は、24日発行の最終号に向けた最後の編集作業の日だった。パソコン画面をのぞくと、作業中の1面のイメージには「サンキュー」の見出しに数十の名前が並ぶ。同紙の取材範囲の地名だ。カシノを中心に半径50~90キロの地域の多くは、牛の牧草地が広がっている。

 昼過ぎ、一人の女性が訪ねてき…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

【8/7まで】シンプルコース(月額980円)が今ならキャンペーン中!詳しくはこちら