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 新型コロナウイルスの感染が世界で広がる中、国連安全保障理事会は1日、紛争地における90日間の即時停戦を定めた決議案を全会一致で採択した。グテーレス事務総長が停戦を呼びかけてから100日間、米国と中国の対立で文言調整を続けてきたが、ようやく採択にいたった。

 決議案は理事国のフランスとチュニジアがまとめた。紛争地が新型コロナの影響を受けているとして、国際社会が連帯して対応する必要性を指摘している。

 グテーレス氏は3月23日に全世界での即時停戦を呼びかけた。安保理はその後、法的拘束力のある決議を採択して停戦を後押ししようと、複数の決議案を議論してきた。

 ただ、4月には米国が中国を念頭に新型コロナの発祥地を明らかにすることを求めたのに対し、中国が「コロナ対応は安保理の範囲を超えている」と反論。5月には別の決議案が採択一歩手前まで進みながら、世界保健機関(WHO)への協力を示唆する文言を米国が問題視し、いずれも採決が見送られていた。

 安保理の機能不全ぶりに非難の声があがるなか、今回の決議案はウイルスの発祥地やWHOについて触れない内容となった。議長国を務めるドイツのホイスゲン国連大使は「交渉は容易ではなかったが、相違点は克服できるとこの決議が示している。困難な時代にこそ、安保理は行動しなければならない」と声明を発表した。(ニューヨーク=藤原学思)