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ブラジル人学校校長 中田ケンコさん(63)

 22年前から、滋賀県愛荘町でブラジル人学校「サンタナ学園」を経営しています。1歳から高校生までの75人が県内7市町から通ってくる。毎朝5時半からマイクロバスで迎えに回るのが、私の日課です。

拡大する写真・図版ブラジル人学校「サンタナ学園」の中田ケンコ校長=2020年6月18日、滋賀県愛荘町、玉置太郎撮影

 子どもたちの親の多くは日系人で、自動車部品工場などの派遣労働者です。新型コロナウイルスの影響で、すでに7家族の親たちが雇い止めにあいました。出勤制限で収入が減った世帯も多い。月謝の3万~5万円が払えない家庭が出ています。

 ある父親は、派遣会社から社宅の家賃や来日旅費を引かれ、3千円しか残らない給与明細を見せてくれました。3月に来日した高校2年の少女は、アルバイトで稼いだ2万円を月謝として納めてくれました。

拡大する写真・図版ブラジルから取り寄せた教科書で算数の勉強をする小学生ら=2020年6月18日午後1時、滋賀県愛荘町、玉置太郎撮影

 本当はお金を気にせずに来てほしい。けれど、うちはブラジルの教育課程をとり、校舎もプレハブで、各種学校の認可が出ない。公的支援のない中で月謝を失えば、そもそも赤字の学校はつぶれます。コロナ禍での派遣切りが、学びの場の危機につながっています。

拡大する写真・図版プレハブの建物(右)や民家(左)を校舎として利用している=2020年6月18日午後0時53分、滋賀県愛荘町、玉置太郎撮影

 「公立校に行けばいい」と言われるかもしれません。けれど公立校で言葉の壁やいじめに悩み、うちに来る子も多い。

 私も日系2世で、ブラジルでも教師でした。1992年に初来日した時、不就学の日系人の子が多くいることを知り、学校を始めました。

 学校存続の危機は12年前のリーマン・ショック以来です。当時は廃品回収や街頭募金でしのぎました。

拡大する写真・図版子どもたちが手作りした、新型コロナウイルスへの注意を呼びかけるポスター=2020年6月18日、滋賀県愛荘町、玉置太郎撮影

 今回は、支えてくれる人の輪が大きい。県や地元生協が食料や物資を寄付してくれた。昨夏から事務を担ってくれている地元の女性がクラウドファンディングを立ち上げ、460人から計440万円が集まった。大変な中でこそ、人の支えが力になります。

 子どもたちが安定して学校で学べるよう、校舎を建てて学校の認可をとりたい。思いが強まりました。(玉置太郎)

日本に住むブラジル人と教育
法務省の統計では、日本に住むブラジル人は約21万人で、このうち約4万人が18歳以下(昨年6月時点)。在日ブラジル大使館によると、ブラジル教育省が認可した日本国内の学校はサンタナ学園など約40校あるが、認可外の学校もあるという。

拡大する写真・図版中学生の教室の窓の外には、畑や民家といった田舎の風景が広がる=2020年6月18日午後1時8分、滋賀県愛荘町、玉置太郎撮影

ポルトガル語教育 田舎町の片隅で

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