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 京都大iPS細胞研究所(山中伸弥所長)を懲戒解雇された50代の元非常勤職員が、解雇処分の取り消しを求める訴えを3日にも京都地裁に起こすことがわかった。代理人弁護士は「理由のない懲戒解雇を受けた」と主張している。

 京大は、元職員が勤務していた研究室の教授のメールを無断で見たり、機密書類を持ち出したりしたことなどが、大学の秩序・風紀を乱す行為を禁じた規則に違反したとして、3月31日付で懲戒解雇処分にした。

 一方、元職員の代理人弁護士によると、処分理由の記載が抽象的だったため、京大に詳細な日時や内容を求めたが、回答が得られなかった。訴訟では、京大側に処分理由に該当した行為を具体的に特定させた上で、事実の有無や、懲戒処分にあたりうるかを争う方針。

 元職員は、2007年度から1年間の雇用契約更新を繰り返し、19年4月に雇用期間の定めのない契約に変わった。17年から執拗(しつよう)な退職勧奨の嫌がらせを受けていたとしている。訴訟では100万円の慰謝料も求める。

 元職員は「労働者が提訴するのは費用や転職の面でハードルが高いが、このような問題は京大だけではないと思う。iPS細胞は人類の希望を大きく担うもので、辞めさせられた人間が申し上げるのはおかしいが、iPS細胞の研究については応援してほしい」と話している。(野中良祐