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 自治体や金融機関の職員、警察官などをかたってうその電話をかけ、自宅を訪れてキャッシュカードをだましとる特殊詐欺の被害が、あとを絶たない。「私の話が役に立つなら……」。約120万円の被害にあった広島市内の80代女性が取材に応じ、当時の状況を語った。(三宅梨紗子)

     ◇

 5月下旬のある日の正午。広島市内で一人暮らしをする80代の女性宅の固定電話が鳴った。役所の職員を名乗る男は言った。「後期高齢者の保険で過払い金がある。3年で2万3千円くらい戻る」。聞き慣れないなまりに多少の違和感を覚えたが、丁寧な話しぶりに怪しいとは思わず、促されるまま住所を伝えた。

 その日の夕方、今度は口座を持つ金融機関の職員をかたる男から電話。口調は標準語だった。

 「キャッシュカードを20日までに切り替えないといけなかったが、手続きが済んでいない。本店で新しいカードと交換する必要がある」。聞いたことのない話だった。男はカードの色などの特徴、暗証番号を教えるようたたみかけた。

 「なぜカードの色も知らないのか」。不思議に感じたが、だまされているとは思わなかった。

 「ヤマシタというものにカードを取りに行かせる。近くにいる」。電話の途中に50代くらいの男が訪ねてきた。顔はよく見えなかった。黒のストライプのスーツに黒縁めがね姿。電話口では「大事なものですから早く帰るよう言ってください」と促され、カードを渡した。

 4日後、近所の人に話すと、「それは詐欺だよ!」と言われた。すぐに金融機関へ電話し、被害が発覚。カードをだましとられた翌日から3日間に、複数回にわたり計123万円が県内や東京都内のATM(現金自動出入機)から引き出されていた。口座にあったほぼ全額だった。

 「新聞でもよく読んでいたから…

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