【動画】Kitaraに楽音戻る 4カ月ぶりのコンサート開催=戸田拓撮影
[PR]

 「Kitaraに音楽が戻ってまいりました」。場内アナウンスの声は喜びに満ちていた。札幌コンサートホールKitara(札幌市中央区)で約4カ月ぶりとなる公演が7月1日夜、小ホールで行われた。

 優れた音響効果で世界的にも評価されている同ホールでは2月末以来、新型コロナウイルスの影響で公演の中止や延期が続いていた。再開公演となったのは、日本では数少ない常設の弦楽四重奏団「クァルテット・エクセルシオ」による札幌定期演奏会。同団の活動を支援する「認定NPO法人エク・プロジェクト」理事長を務める北星学園大(札幌市厚別区)の勝村務・准教授は、「今後の公演再開に向けたモデルとなるよう、感染防止には万全を期した」と話す。席は半数のみ全指定席で用意し、入り口には体温検知システムが設置された。当日券購入者は連絡先を記入、演奏後の「ブラボー」の発声も自粛を要請。厳戒下の開演となった。

 この日、3曲の弦楽四重奏曲が演奏された。楽聖モーツァルトの最後の弦楽四重奏曲となった「第23番」、20世紀の巨匠バルトークが音楽語法を確立した代表作「第3番」。そしてコンサート末尾を飾ったベートーベン晩年の傑作「第15番」は、第3楽章に「病より癒えたる者の神への聖なる感謝の歌」との表題が付されている。今回の曲目はコロナ禍以前に決まっていたが「こういうときにこの曲を演奏するのは、深く大いに意味があるなと思った」と「クァルテット・エクセルシオ」のチェリスト大友肇さん。「一日も早く安心して音楽が楽しめる日が来るように」との願いを込めたつややかな響きは、公演再開を待ち望んでいたクラシック愛好家ら約120人の大きな拍手に迎えられた。(戸田拓)