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 新型コロナウイルスの影響は夏のマリンレジャーにも及んでいる。福井県内では、感染予防のために海水浴場の多くが今夏の開設を断念。一方で、海の事故を防ぐため、開設に踏み切ったところもある。(堀川敬部、佐藤常敬、八百板一平)

 県によると、県内には60ほどの海水浴場がある。今夏に開設する方針なのは2割ほどで、検討中のところもあるという。

 坂井市三国町にある三国サンセットビーチと浜地海水浴場では1日に海開き式があり、関係者がシーズン中の安全を祈願した。

 同ビーチでは例年、8軒ほどの浜茶屋が並ぶが、今年はコロナの影響で1軒のみの営業に。利用者に手指の消毒の徹底を呼びかけ、テーブルの間隔をとるなどの対策を講じるという。

 開設を見送る海水浴場が相次いでいることに、坂井市三国観光協会の刀根瑛昌(てるまさ)会長は「それも正しい決断」とした上で、「開設してもしなくても海水浴客は来る。開設して、浜茶屋の関係者やライフセーバーらが感染予防の取り組みも含めて監視し、警察にパトロールしてもらうことが、客や地域の安全安心につながると判断した」と話した。

 若狭町では、町内7カ所中4カ所が開設の準備をしている。ただ、ホームページなどでの積極的なPRはしないという。開設する海水浴場にはトイレやシャワーの順番待ちの際に、十分な間隔をとることなどを求める看板を置く。

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 敦賀市では、市内10カ所中9カ所が開設しない。開設を見送った「気比の松原海水浴場」を運営する敦賀観光協会の橋本貴史次長は、「海水浴客同士の間隔を空けることは物理的に不可能。感染リスクの高い海の家の更衣室やシャワー室も換気を確保できず、密になってしまう」と話す。

 小浜市や美浜、おおい、高浜の3町では、全ての海水浴場が開設を断念した。

 「遊泳を控えてほしい。ただ、遊泳を禁じる法的な権限がなく、自己責任だから勝手に、とも言えない」

 そう明かすのは、高浜町産業振興課の仲野博之課長補佐。町内8カ所の海水浴場には例年、京阪神などから20万人前後が訪れる。今年は海水浴場を設けず、浜辺に監視員や救護員らは常駐しない。とはいえ、泳ぎに訪れる人がいるとみている。仲野さんは「水難事故に備え、地元と協力して連絡や救助の体制を早急につくりたい」と話す。