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 東京電力福島第一原発の周辺に残る帰還困難区域を除染せずに解除する新たな方針について、政府の原子力被災者生活支援チームは1日、原子力規制委員会で検討内容を説明した。しかし、支援チームは「除染が不要」という核心について、まるで既成概念かのように説明を省いた。背景には何があるのか。

土地利用のための解除を追加

 政府の委員会での説明によると、これまでの避難指示解除の目的は「住民の帰還・居住」だったが、今後は居住を除く「土地活用」のための解除方式を加えるという。

 具体的には、これまでは①放射線量が年20ミリシーベルト以下になる②十分な除染とインフラ整備をする③地元と十分協議する、の3要件をすべて満たして解除してきた。追加する新方式では、①と③は採用しながら、人が住まないことが想定される場所について、地元が土地活用を要望していれば、「線量低減措置」を講じて解除するという。

拡大する写真・図版帰還困難区域となり、バリケードが設置された当時の福島県飯舘村の長泥地区。村は2023年に一斉解除してほしいと国に要望している=12年7月

 問題はこの線量低減措置に除染が含まれるかどうかだ。支援チームは、規制委に対する説明資料(10ページ)でも口頭説明でも、「除染をしない」という表現は一切使わなかった。

規制委委員長「除染要件 科学的でない」

 逆に、規制委側が支援チームの意をくみ、「除染なしの解除」を前提に意見を述べた。事前に政府の新方針について報道があったためと見られる。

 伴信彦委員は「除染は放射線を防護する手段にすぎないのに、目的と化してしまった」、更田豊志委員長は「除染を(解除の)要件とするのは科学的とは言えない」と発言。線量が自然に年20ミリに以下に下がっていれば、除染は必要ないとの考えを支持した。

 石渡明委員は「(帰還困難区域の)放射線量が下がったといっても普通の土地の10倍高い。表面の放射性物質を取り除く努力はするべきだ」と、除染を不要としたい支援チームの考えにクギを刺した。

拡大する写真・図版「帰還困難区域の放射線防護対策」が表向きの議題となった1日の原子力規制委員会。奥左側が規制委、同右が原子力被災者生活支援チーム。手前は報道席=東京・六本木

 「解除の前に除染はするのかし…

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