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 新型コロナウイルスの影響で公演の中止を余儀なくされていた三重県文化会館が近く、4カ月半ぶりに公演の企画を再開する。第1弾は、上演中に自由に席を移動できる「マイベストシート」。3密対策と両立させながら、新しい鑑賞様式を提案する。

 19日に開催されるのは、津市出身のピアニストで、東京芸術大学で演奏指導もする兼重稔宏さんのソロコンサート。ベートーベン生誕250周年を冠して、晩年の曲などを披露する。

 しかし、これまでの演奏会とは雰囲気が変わりそうだ。1900人を収容できる大ホールに入場できるのは100人。2部構成で、1部は「聴き比べ」。聴衆は曲と曲の間には自由に席を移動し、お気に入りの席を探すことができる。そして、2部は自分が気に入った席でじっくりと聴き入る。3密を回避するために入場者数を大幅に減らす一方で、コンサートをより楽しめるかたちにしている。

 企画したのは県文化会館の鈴木智之さん。2016年にピアニストの田村緑さんが同館で開いたコンサートをヒントにして、県や国のガイドラインとも照らし合わせ、開催を決めたという。「どの席を選べばいいのか分からないといった悩みを解決したり、いつもとは違う席で別の魅力に気づいてもらったりしてもらえれば」と話す。

 また、津市美里町に拠点を置く「第七劇場」の鳴海康平さんが構成・演出を担当する演劇「マイベストシート シアター」も19日に上演される。中島敦原作の「山月記」を第七劇場の俳優・小菅紘史さんが独演する。鑑賞できる人数を50人まで絞り、客席は舞台上で自由。臨場感あふれる演技が目の前で繰り広げられ、好みの角度から役者の表情を見ることができる。

 兼重さんのコンサートは昼の部(午後2時開演)と夜の部(午後6時開演)の2部制。演劇「マイベストシート シアター」は午後2時開演。

 入場料は各公演1千円。事前の抽選制で、申し込みは7日まで。問い合わせは県文化会館チケットカウンター(059・233・1122)。(村井隼人)