[PR]

 香港で反体制的な言動を取り締まる「香港国家安全維持法(国安法)」が施行されたのを受けて、米議会は2日、香港の自治侵害に関与した当局者への制裁を盛り込んだ「香港自治法案」を可決した。トランプ大統領が署名すれば成立する。

 法案は1日に下院が、2日に上院がそれぞれ全会一致で可決した。法案は国安法の制定や香港での抗議デモ弾圧に関与した政府当局者に対して、資産凍結や米国への入国制限といった制裁を科す内容。こうした当局者と多額の取引がある金融機関も制裁対象となる。上院は25日にほぼ同じ内容の法案を可決していたが、下院で一部修正があったため、下院案を再度可決した。今後、大統領が拒否権を行使しても、上下院でそれぞれ3分の2が賛成すれば法案は成立する。

 米議会ではこのほか、迫害の恐れがある香港の人々を難民として受け入れる法案も、超党派の議員によって準備されている。

 トランプ政権はすでに、国安法制定に関与した当局者へのビザ発給制限や防衛関連製品の香港への輸出停止といった対抗措置を取っている。ポンペオ国務長官は1日の会見で、「今後も香港の(一国二制度に基づく)特別な地位を終わらせる手続きを進めていく」と話し、追加の措置を取っていく考えを示していた。

 一方、中国外務省の趙立堅副報道局長は2日の会見で、米議会の制裁法案について「香港への干渉をやめ、法案の審議を停止するよう促す。実施されるようなことになれば、中国は断固とした反撃措置を取る」と述べていた。(ワシントン=大島隆)