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 反体制的な言動を取り締まる「香港国家安全維持法」の施行を受け、香港の民主活動家、羅冠聡(ネイサン・ロー)氏(26)が2日深夜、自身のフェイスブックで香港を離れたことを明らかにした。直前にテレビ会議システムを通して米下院の公聴会で証言。香港の人権状況の悪化について説明するなど支援を呼びかけたことで「予測できない危険な状態に陥った」と説明した。

 羅氏は2014年の民主化デモ「雨傘運動」の学生リーダーの一人で、昨年のノーベル平和賞候補に名前があがった。羅氏は「香港から国際社会に働きかける活動は大幅に締めつけられ、リスクも高まっている」と投稿。渡航先については明らかにしなかったが、海外を拠点に民主化運動を継続するとしている。

 国安法は、外国勢力と結託して国家の安全に危害を及ぼす行為を禁止しており、米下院での証言によって逮捕される事態を回避する狙いがあるとみられる。羅氏は今年9月の立法会(議会)選挙に向けて民主派の予備選挙に立候補を表明していたが、人権問題を理由に途中で放棄する異例の展開となった。(香港=益満雄一郎)