ソウルの少女像周辺での集会、禁止に 感染防止を理由

ソウル=鈴木拓也
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 在韓日本大使館があるソウル市鍾路区は3日、新型コロナウイルスの感染拡大の防止を理由に、日本大使館周辺での集会やデモを制限する措置を告示した。大使館近くの慰安婦を表現する「少女像」の周辺では、元慰安婦の支援団体が毎週水曜日に抗議活動を開くなか、像の撤去を求める保守派団体が対抗の集会を行うようになり、衝突が心配されていた。

 告示によると、集会制限は感染の状況が和らぐまでの当面の措置。違反した場合は300万ウォン(約27万円)以下の罰金が科される。警察関係者によると、記者会見や文化祭の開催は可能。参加者が「日本政府は謝罪しろ」などとスローガンを連呼した場合は抗議集会とみなされ、警察が数回の警告などを行った後、強制的に解散させることができる。

 少女像の周辺では、元慰安婦を支援する「正義記憶連帯(旧挺対協)」が1992年以降の毎週水曜日の昼に、日本政府に公式謝罪と法的賠償を要求する集会を開催。今年はコロナ感染拡大を受け、主催者の一部だけが現場に集まり、SNSで中継する方式を取った。

 だが、正義連に寄付金の流用があったと元慰安婦の李容洙(イヨンス)さん(91)が告発した5月上旬以降、水曜集会に反対する保守系団体が同じ場所で抗議活動を行うようになり、最近は正義連の水曜集会の参加者も再び増加。水曜日昼は周辺への騒音が問題となり、両団体の衝突を防ぐために大勢の警察官も出動し、物々しい雰囲気になっていた。(ソウル=鈴木拓也)

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