拡大する写真・図版作家の島田雅彦さん

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 作家の島田雅彦さんは「眠り」を大切にしています。それはなぜか。コロナ禍の巣ごもりのなかで、「眠り」について、あれこれ考えているそうです。

睡眠中の脳、創作や発想の源泉

 悪い奴ほどよく眠るといいますが、悪人も眠っていれば無害です。私は眠るために生まれたと思えるほどよく眠ります。連続8時間は眠り、昼寝もするので累計睡眠時間は1日10時間に及びます。

 一体いつ仕事をしているのかと聞かれますが、寝起きは頭がクリアで、起きるなり仕事ができます。その状態を何回もつくれば作業効率が上がると思って、昼と夕食後に仮眠するのです。

拡大する写真・図版作家の島田雅彦さん=加藤諒撮影

 睡眠中の脳は目覚めているときとは違う働きをしていて、それが創作や発想の源泉になっているという自覚があります。心折れる外界から距離を保ちつつ、妄想の世界で自由に遊べるこのクリエーティブな時間はマイ・ベストといっていいでしょう。

 物語など考えたことがない人も毎朝無意識に夢を紡いでいる。人は眠る限り、ストーリーテラーなんです。しかも夢は荒唐無稽、奇想天外、支離滅裂で、目覚めているときの論理やイメージを超越し、発想を自由に展開できます。0か1かを決めなければならないのが意識なら、0でも1でもある、「重ね合わせ」の状態を保っていられる無意識は依然、未開拓の領域です。

強いアートは「ぶっ飛んだもの」

 神話はシャーマンが見た夢の記録です。つまり夢は文学の原点です。私たちは誰もがシャーマンの末裔(まつえい)であるといえます。フロイトは無意識の開拓者ですが、まだその浅いところしか開拓していません。

 本来創作というのは無意識から…

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