[PR]

 サッカー国内最高峰の明治安田生命J1が4日、いよいよ4カ月ぶりに再開する。新型コロナウイルスの影響で今季は個人タイトルの賞金も半減となるが、選手は名誉をかけてピッチを駆け抜ける。日本人選手3人目となる2年連続の得点王は生まれるのか。久保(マジョルカ)世代の有望株が名乗りを上げるベストヤングプレーヤー賞(新人王)には誰が選ばれるのか。再開初日に達成されそうな偉大な記録もある。

 「ファーストゴールを早く決めて、どんどん点を重ねていきたい」。昨季15点で得点王に輝いた横浜マのFW仲川輝人は、自身の背番号と同じ「23」を今季の得点数の目標に掲げる。

 身長161センチとJ選手としては小柄ながら、DFを置き去りにするスピードが武器。中断期間は体幹を鍛え、「弱さを強さに変えられた」。2年連続の得点王となれば、日本人では前田遼一(達成時は磐田、現岐阜)、大久保嘉人(達成時は川崎、現東京ヴ)に続く。

 対抗馬は外国人ストライカーだ。仲川と並んで昨季の得点王だった横浜マのFWマルコスジュニオールは両足の精度が高い。昨季J2で1試合8得点を記録した柏のFWオルンガは、開幕戦で2得点。193センチの高さと速さを兼ね備える。浦和のFWレオナルドはJ3、J2に続き、「3年連続得点王」がかかる。23歳の若さは過密日程で有利に働くか。

 川崎のFWレアンドロダミアン、神戸のFWドウグラス、FC東京のFWディエゴオリベイラは攻撃力のあるチームだけにチャンスに恵まれそうだ。

 日本人では神戸のFW古橋亨梧に期待がかかる。今季は公式戦全4試合で得点。MFイニエスタとの連係に自信を持ち、「得点王を目指す」と言い切る。3年ぶりの得点王を狙う川崎のFW小林悠は負傷で再開に間に合わないのがどう響くか。

 今季の特例により1試合の交代人数が3人から5人に増えたことで、高卒新人にも例年より出場機会が巡ってきそうだ。

 注目されるのはセ大阪のMF西川潤。昨季、桐光学園高(神奈川)所属ながらJリーグに出場できる特別指定選手として、プロデビューを飾った。巧みに球を扱う技術と速さを兼ね備えるアタッカーだ。

 2月の開幕節はベンチで出場なし。自粛期間中は、戦術家で知られるロティーナ監督の戦い方の理解を深める時間に費やした。過去の試合や、コーチから送られてくる動画を繰り返し見た。「中断前よりも、自信は深まっている」

 この世代はスペイン1部で活躍するMF久保と同学年で、有望株も多い。東福岡高出身のMF荒木遼太郎は強豪鹿島で定位置争いに食い込む。状況判断の良さやパスのうまさが持ち味。開幕戦でJ1のピッチを踏んだ。「同じ世代の選手には、絶対に負けたくないという気持ちはある」

 荒木とともに2月のルヴァン杯で先発したMF松村優太も面白い存在だ。1月の全国高校選手権で優勝した静岡学園出身。個人技に定評のある同校育ちで、積極的なドリブルが光る。元日本代表のDF内田篤人は「何年かすればスタメンをがっちり確保することもできなくはない。なんだったら代表も(目指せる)という選手」と太鼓判を押す。

 その松村率いる静学に、全国選手権の決勝で敗れた青森山田高から浦和入りしたMF武田英寿も期待のルーキー。精度の高い左足のキックでブレークを狙う。

 再開する4日に生まれそうな大記録もある。

 40歳になったガ大阪のMF遠藤保仁は、セ大阪との「大阪ダービー」に出場すればJ1で632試合目となり、最多出場記録で単独トップに立つ。13年ぶりにJ1の舞台に戻ってきた横浜FCのFW三浦知良は現役最年長の53歳で、J1最年長出場がかかる。ジーコ(当時鹿島)の持つJ1最年長ゴール(41歳3カ月12日)も塗りかえられるか。

 ともに「Jリーグの顔」という存在だ。過密日程の中、ベテランの力は欠かせない。記憶にも記録にも残るであろうシーズンが再び幕を開ける。