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 企業などでの実務経験を生かして高等教育機関で教育・研究にあたる「実務家教員」への関心が高まっている。国は近年、大学や専門職大学での登用を促す政策を推進してきた。文部科学省は2019年、国公私立の四つの大学や高等専門学校(高専)を代表校とする実務家教員の養成拠点を選定した。

 実務家教員が注目される理由の一つは、2019年から開校した専門職大学の存在だ。先にできた専門職大学院と共に、「専攻分野におけるおおむね5年以上の実務の経験」と「高度の実務の能力」を有する人材を実務家教員としており、専門職大学では専任教員中に4割以上置かれる。今春から始まった「高等教育の修学支援新制度」では、対象となる大学の要件に、実務家教員による授業科目が標準単位数の1割以上配置されていることをあげる。

 文科省で実務家教員の数を年ごとに調べた統計はないが、近年の「学校教員統計調査」では、民間企業や官公庁、自営業から大学教員になるのは毎年1500~2千人ほどとなっている。

 「大学の現状に一家言を持っている人は多いですが、皆さんは持論の根拠となるしっかりした高等教育観を養ってください」

 6月18日の午後7時、社会情報大学院大学(東京都新宿区)。川山竜二教授の「高等教育論」のオンライン授業が始まり、大学に関する歴史や制度を講義した。18年10月に始めた「実務家教員養成課程」の一コマで、平日夜や土曜日に開講している。4カ月で、シラバス作成や教育評価の方法、論文執筆の基本や模擬授業など、計61時間学ぶ。

 これまでの4期で136人が修了。大学や専門学校の教員になった人のほか、企業の研修担当として活躍する人もいるという。6月開講の6期生は63人で、東京のほか名古屋、大阪、福岡でも対面授業がある。修士号や博士号を持つ人もいるが、多くは学部卒だ。

 1期生の山口智弘さん(49)は金融関連の企業などを経て、在職中に博士号も取得。現在は官公庁に勤めながら専門職大学院の助教をしている。自分と同じ金融の道に進む学生を教えたいと受講した。教員公募に応じる際の書類作成法を学んだのが役立ったという。「大学が重視するポリシーと実務経験を重ねながら志望動機を書くなど、自分だけでは気づけない視点を得られた」と振り返る。

「武勇伝」は論外

 実務家教員には、実践的な教育…

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