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コロナQ&A(withコロナの暮らし編) 回答:西野裕貴弁護士

 Q 在宅勤務が続き、水道光熱費が大幅に増えました。ウェブカメラやプリンターなどの機器も新たに購入しました。経費として会社に請求できますか?

 A こうした経費を会社と労働者のどちらが負担するかを定めた法律はなく、在宅勤務のための機器を購入して代金を請求しても、請求が認められない場合が多いと思われます。

 では、会社が合意なく、一方的に労働者に負担させることはできるのでしょうか。労働契約法では、会社が就業規則で定め、その内容が合理的であり、職場で周知されていれば労働者に負担させることはできます。しかし、高額な機器の代金を負担させるという内容は合理的とは認められにくいでしょう。

 また、会社が新型コロナウイルスの感染拡大防止の手段として在宅勤務を主導したのであれば、在宅勤務にかかる費用も会社が負担するべきで、労働者にすべて負担させるのは合理的とは言えないと考えます。

 電気代や水道代などの水道光熱費については、私生活で使ったものと在宅勤務で使ったものとを明確に切り分けられないという難点があります。とはいえ、在宅勤務によるものが含まれていることは明らかですから、いくらかは会社が負担するべきです。

 例えば、在宅勤務で通勤手当を支給しなくなったうえ、光熱費をすべて負担させた場合、労働条件の不利益変更に該当する可能性があります。会社は少なくとも通勤手当相当額の光熱費を負担するべきでしょう。

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 にしの・ゆうき 2013年弁護士登録。九州労働弁護団幹事、福岡県弁護士会労働法制委員会事務局次長。労働問題に取り組む。日本過労死弁護団でも活動。