同僚の「夜の街通い」で感染心配…会社に対処求めるには
コロナQ&A(withコロナの暮らし編) 回答:西野裕貴弁護士
Q 同僚が「夜の街」が好きで通っているようです。東京の歌舞伎町や福岡の中洲などでの感染が報じられており、近くで仕事をする自分も感染してしまうのではと心配です。会社に対処を求められますか。
A 会社には、企業秩序を維持するため、社内での労働者の行動などについて一定の指揮命令をする権利がありますが、社外における労働者の行動に対しこの権利は基本的に及びません。対処を求めることは難しいでしょう。
では、その同僚の社内での行動について一定の指揮命令をするよう会社に求めることはできるのでしょうか。会社には労働者が安全に仕事を行えるように配慮する安全配慮義務があります。そのため、社内での新型コロナウイルスの感染予防に必要かつ相当な対応を会社に求めることができると考えられます。
マスク着用による感染予防効果は認められており、マスク着用による業務上の支障は大きくないと考えられます。「夜の街」によく行く同僚に対し、社内でマスク着用を義務付けるよう会社に求められる可能性は高いと考えます。
その同僚が、集団感染があったお店に通っており、高熱が続くなど罹患(りかん)している蓋然(がいぜん)性が認められる場合には、勤務場所を変更することや、場合によっては出勤させないようにすることも安全配慮義務の一つとして認められる可能性があります。他の社員に妊婦がいるなど、予防の必要性が高い場合にはその可能性は高まると考えます。
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にしの・ゆうき 2013年弁護士登録。九州労働弁護団幹事、福岡県弁護士会労働法制委員会事務局次長。労働問題に取り組む。日本過労死弁護団でも活動。
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