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 新型コロナウイルスの感染拡大により、災害時に避難所で飛沫(ひまつ)感染を防ぐ間仕切りの需要が急増し、自治体が調達に苦心している。大分県中津市は、市内の段ボール会社に特別に注文した。会社側は強度などの条件を満たす段ボール間仕切りを開発し、3日に100基を納入した。

 製造したのは同市大新田の九州ケース(本社・愛媛県四国中央市)。間仕切りは縦横2メートル、高さ1・4メートルで、2人分のベッドを入れるスペースがある。厚さ8ミリの段ボールを使って強度を持たせており、安定感の良さが特徴だ。1基約1万円。体育館や公民館などの一次避難所に保管し、災害時に組み立てる。

 同社は農産物や工業製品用の箱を中心に製造している。災害用の製品は2016年の熊本地震で国の要請を受けて段ボールベッドを作ったことはあるが、避難所用の間仕切りは初めて。「強度」や「簡単に組み立てられる」といった市からの条件を満たすために試作を重ね、約2カ月かけて完成させた。

 中津市防災危機管理課によると、避難所用の間仕切りは、台風や集中豪雨の季節を前にした自治体からの需要が急増。「どこも取り合いになっている」という。市は今回の購入と別のプラスチック製間仕切りの入札をしたが、一部の業者から「品不足で納入は秋ごろになる」と言われた。このため、「出水期に間に合わない」と九州ケースにも製造を依頼した。

 同社の高橋一郎専務(64)は「社会貢献として最優先で開発した製品。市民の役に立てれば」と話す。同課の門脇隆二課長は「早めに対応してくれて助かった」と感謝する。市と同社は7月中旬、災害時に間仕切りの提供などを受ける防災協定を結ぶ予定だ。(大畠正吾)