拡大する写真・図版山本さんが制作したカマキリ=2020年7月3日午後2時50分、山口市の山口井筒屋、寺島笑花撮影

[PR]

 しわが刻まれた厚い手でナイフを握り、刃先を細かく動かす。ミリ単位の繊細な作業から生み出されるのは体長約2~10センチのカマキリやトンボ、ホタルなどの昆虫の竹細工だ。山口市の山口井筒屋5階の美術ギャラリーで展示・販売されている。7日まで。

 制作したのは山口市の山本幹雄さん(90)。竹細工は60歳を過ぎてから独学で始めた。ナイフの使い方は専門書を読み込んで学んだという。

拡大する写真・図版モデルにしている本物のカマキリを手にする山本さん。毎朝声をかけるという=2020年6月30日午前10時40分、山口市中園町、寺島笑花撮影

 昆虫を題材に選んだのは庭で見つけたバッタがきっかけ。以来、実物を見ながら本物そっくりに仕上げる。頭や羽などを別々に削り出し、つなぎ合わせる。カマキリ1匹作るのに4日かかる。

拡大する写真・図版山本さんが制作した竹製のトンボ。脚の向きや羽の形にもこだわる=2020年6月30日午前10時7分、山口市中園町、寺島笑花撮影

 1年のほとんどを自宅の作業場で過ごし、1日8時間以上竹と向き合う。手がしびれてナイフを握ることができない時もあるが、「気力は30年前と変わらない。つくることは生きることそのもの」と話す。

拡大する写真・図版山本さんが制作したホタル。イルミネーションライトが巻かれている=2020年6月30日午前10時15分、山口市中園町、寺島笑花撮影

 美術ギャラリーでは山本さんの竹細工のほか、伝統工芸品の徳地和紙を使った紙人形などを展示している。問い合わせは、美術ギャラリー(083・902・1229)へ。(寺島笑花)