[PR]

経世彩民 和気真也の目

 「歯が痛い」と妻が言い出したのは、英国が「ロックダウン(都市封鎖)」を始めてまもない3月下旬のことだった。近くの歯科医院に電話したが、返ってきたのは録音された音声メッセージ。「新型コロナウイルスのため、全ての治療を見合わせています」

 もう1軒、さらに1軒。うーむ、つながらない。ロックダウンってそういうこと?

拡大する写真・図版ロンドン北部の商店街ではロックダウンの期間中、シャッターを下ろして休業する店が目立った=2020年4月18日、和気真也撮影

 ようやく対応してくれる歯科医院を見つけ、すがる思いで駆け込んだ。虫歯が見つかったが、歯科医のアリさんは「今はドリルが一切使えない」という。選択肢は二つ。抜歯か、抗生剤で痛みを鎮めるか。

 悩む妻を見て、アリ医師は言った。「正直、大した虫歯ではなく、抜くのは忍びない。抗生剤で様子を見て、数週間後にロックダウンが終われば治療したらよい」

 妻は助言に従った。しかし、アリ医師の予想は外れた。ロックダウンは一向に解除されず、妻は1カ月後に結局、歯を抜いた。

 7月4日、英国はロックダウン…

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。有料会員になると続きをお読みいただけます。

この記事は有料会員記事有料会員記事です。

2種類有料会員記事会員記事の会員記事が月300本まで読めるお得なシンプルコースはこちら