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(5日、巨人―中日)

 現場にいると、野球が「音のスポーツ」でもあることに気づかされる。ファンの声援がないから、耳を澄ませば記者席にいても聞こえてくる。

 この日の東京ドームで、中日の梅津晃大が一回に投じた148キロの直球からは「シュー」という音がした。多投したフォークでは、ボールが風を切る音はほとんど聞こえなかった。六回、巨人の中島宏之の打球が左翼席に飛び込むと「ガコン」。この乾いた音は、スタンドが空席だからこそ起きるものだ。

 選手の声もよく響く。これまでも、DeNAの抑え、山崎康晃は投げる時に「おりゃっ」と叫んでいた。相手投手が牽制(けんせい)した時は、選手はベンチから身を乗り出して一塁走者に声を飛ばす。ヤクルトの主将、青木宣親は「無観客だから、声が響く。お客さんがいるときより、声を出している」。

 10日からはようやく観客を入れて行われる予定で、無観客試合は残りわずか。テレビなどの中継でどこまで聞こえるか分からないが、様々な音に耳を傾ける楽しみ方もある。(松沢憲司)