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 夏の甲子園に昨年まで2年連続出場の花巻東が5日、岩手独自大会の初戦を突破した。毎回の14安打、五回コールドの17―0で遠野緑峰を下した。ベンチ入りした20人の3年生のうち、19人が出場。「公式戦で初めてヒットを打った選手もいる。見ていて胸が熱くなった」と佐々木洋監督は話す。

 花巻東は、独自大会に3年生だけで臨んでいる。選手の入れ替えが認められているため、勝ち進む限り、38人の3年生全員をベンチ入りさせることも可能だ。「この独自大会は、甲子園という大きな目標がなくなった3年生を救済するための大会、という認識でした」と佐々木監督。選手たちにも、5月末にはその方針を伝えた。

 しかし、下級生も含めたベンチ入りを目指す激しい競争がなくなったことで、部内の空気が変わった。佐々木監督によると、思い出づくりのような雰囲気になってしまったという。そこで、ミーティングを重ねてチームの目指す方向を再確認。そもそも、38人全員が出場するためには1試合でも多く勝ち進む必要がある。改めて勝利への執着心を強くした。

 「全員が同じ気持ちになって、いい方向に向かっている。夏の岩手3連覇を目指してやっていく。気の緩みはない」と主将の清川大雅。自校のグラウンドのホワイトボードには、この夏のチーム方針が掲げられている。「The perfect and ultimate victory(完璧で究極の勝利)」。38人で束になって、1勝1勝を積み上げていく。(山下弘展)