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 阪神の藤浪晋太郎投手が5日、ナゴヤ球場での2軍戦に先発し、中日打線を5回無安打に封じた。150キロの直球を低めに集め、ドラフト1位新人の石川昂弥(たかや)(愛知・東邦高)から二つの空振り三振を奪うなど、6奪三振。大阪桐蔭高の後輩、根尾昂(あきら)は一回に併殺にしとめた。制球も安定し、2四球。二塁を踏ませない好投だった。

 藤浪は試合後、すっきりした表情で言った。「真っすぐで押し込めた。ファーム(2軍)でしっかり抑えないと。今日の投球が当たり前にならないと」

 昨季はプロ7年目で初めて未勝利に終わった。課題は制球難だった。秋から元中日の山本昌・臨時コーチに教えを請い、手首を立てて投げることに取り組んだ。右打者に向かって抜ける球が減った。

 復活を期して臨んだ今季だが、春から波乱が続いた。3月下旬に新型コロナウイルスに感染し、2週間ほど入院した。自宅待機を経て、5月に練習に復帰すると、今度は遅刻。首脳陣の逆鱗(げきりん)に触れ、2軍に落とされた。6月には胸を痛めていた。

 この日の投球は、ほぼ完璧だった。4人の右打者に対し、抜ける球もなかった。平田勝男2軍監督は、試合後、うれしそうに笑顔で語り始めた。

 「完璧に近い。もう問題ない。いい時の晋太郎に戻っている。四球も内容が違う。心配ない。あのくらいやってくれないと。次は、七、八回まで行くように」

 いま、2軍のブルペンで最も投げ込んでいるのは、藤浪だという。「つまずいたけど、まだ(シーズンに)入ったばかり。やっと喪が明けた」。監督の温かい思いを胸に、はい上がれるか。(木村健一)