ピッチ脇で見た浦和・西川の一礼 真っ赤な客席との絆
岩佐友
印象的なシーンに、あわててカメラをかまえた。無観客の試合後。他の選手がロッカールームに引き揚げる中、浦和GK西川周作が1人でピッチの周りをゆっくりと歩き始めた。
4日に埼玉スタジアムであったJ1浦和レッズ―横浜F・マリノス。取材制限があり、いつもの記者席ではなく、カメラマンとしてピッチの脇にいた。試合が終わり、カメラを片付けていた時だった。
「すごいなー」
ゴール裏のコレオグラフィー(人文字風の装飾)に近づくと、西川は目を潤ませながらつぶやいた。スタンドにいるスタッフを見つけては、一人一人に向かって大きく手を振った。最後には、メインスタンドに向かって深々と一礼してピッチを去った。
西川は無観客試合を経験した…