【動画】アブラッソ(抱きしめ合う)カーテンを利用するブラジルの老人ホーム=岡田玄撮影
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 新型コロナウイルスの感染者が90万人に迫っていた6月中旬のブラジル。サンパウロの老人ホームの玄関で、入居するお年寄りと家族たちが2カ月半ぶりに抱き合った。シベリ・キンレイさん(90)は「これよ、これ。抱きしめると生きているって感じられるわ」。ただ、様子はいつもと少し、違った。間に置かれた、透明なビニールでできたカーテン。腕を入れられる筒が付いていた。

拡大する写真・図版透明なビニール製の「アブラッソのカーテン」越しに抱き合う家族=2020年6月13日、サンパウロ、岡田玄撮影

 ブラジル人は人との距離が近い。ほおにキスする「ベイジョ」とともに、ぎゅっと力強く抱きしめる「アブラッソ」は家族や恋人、親しい友人の間で親愛の情を示すあいさつだ。でも、濃厚接触の最たるもの。2月下旬に国内初となる新型コロナの感染が確認されると真っ先に「べからず集」に入れられた。

 パーティーなどの装飾業を営むブルノ・ザニさん(57)も、80歳を過ぎた母に万が一がないようにと気をつけた。抱きしめるなんてもっての外だ。でも、さみしかった。そんな時、メキシコと米国との国境で引き裂かれた移民の親子を描いたドキュメンタリー番組を見た。特別に会うことを許された家族が抱き合う姿に、「やっぱり、こうじゃなきゃ」。

拡大する写真・図版「アブラッソのカーテン」を作ったブルノ・ザニさん=2020年6月13日、サンパウロ、岡田玄撮影

 抱き合えないなら、抱き合えるようにすればいい。10日ほどかけ「アブラッソのカーテン」を試作し、車いすでも使えるよう工夫した。以前から、パーティーで余った花などを寄付してきた老人ホームに協力を頼んだ。

 16人が暮らすこの施設では、…

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