チームの3年生は主将とマネジャーだけ 「心は激アツ」

荻野好弘
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(5日、愛知独自大会 小牧工8-4滝)

 滝の背番号10、天野佑哉主将はチーム唯一の3年生選手だ。9番左翼で先発し、0―3とリードされた二回表2死一塁で打席に立った。「ヒットでつなぐ」と3球目を振り抜いたが、左飛に倒れた。選手交代が告げられ、二回裏の守備から背番号7の2年生に左翼を譲った。3年生として最初で最後の打席となった。

 滝は、新型コロナウイルスの影響で3月初めから練習を中止し、1年生を迎えて新チームが練習を始めたのは6月半ば。この日、練習試合を含め、初試合となる小牧工戦を迎えた。

 チームは中盤で追い上げたが、4―8で敗れた。「先発出場はうれしかったが、絶対に1勝以上しようと言ってきたので」と天野主将。こみあげるものを抑えながら「後輩たちは団結力のあるチームをつくり、勝ってほしい」と話した。

 滝のベンチにはもう1人の3年生、林熙子(きこ)マネジャーがいた。休校が続く間、「独自大会目指して、残りの時間をがんばろう」とLINEで天野主将に連絡した。小牧工戦は選手のプレーを心配しながら見つめ、スコアブックをつけた。「甲子園につながらなくても、心は激アツでした」(荻野好弘)

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