聖地、ついに再建 トキワ荘漫画ミュージアムが7日開館
手塚治虫や赤塚不二夫ら、数多くの漫画家が駆けだし時代を過ごし、伝説のアパートとも称された東京都豊島区の「トキワ荘」が再現され、ミュージアムとして7日にオープンする。老朽化で約40年前に取り壊された後も「マンガの聖地」として全国からファンが集い、地元住民も再建を願っていた。漫画家としてはトキワ荘最後の住人となった山内ジョージさん(79)は「楽しかった思い出しかない。一人でも多くの人に来てもらいたい」と話している。
ミシッ、ミシッ――。きしむ音まで再現された14段の階段を上ると、右手に共同炊事場が出迎える。雑然と置かれたおわんに、ジュースの空き瓶。ラーメンのどんぶりは、トキワ荘の住人が通った中華料理店「松葉」の名前入りだ。
ミュージアムは、トキワ荘があった跡地から西に約300メートルの区立南長崎花咲公園にある。地域住民やトキワ荘に住んでいた漫画家たちが集まり、壁や瓦などのサンプルを作るなどして、当時の外観や内部を再現したという。
トキワ荘は1952年12月6日に棟上げされた。木造モルタル2階建て。トイレと炊事場は共同で、風呂はなかった。2階に4畳半の9室が連なり、手塚治虫を皮切りに、名だたる漫画家が入居し、切磋琢磨(せっさたくま)しあった。
炊事場を風呂代わりに使った赤塚不二夫
その一人、「よめるカナ?」の作品で知られる山内さんは60年から約2年間、トキワ荘で過ごした。同じ頃の住人に赤塚不二夫、石ノ森章太郎らがいた。
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