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 いじめで骨折した生徒に口止めするなどして停職6カ月の懲戒処分を受けた兵庫県姫路市立中学校の元教諭の60代男性が県に処分取り消しを求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(木沢克之裁判長)は6日、処分を取り消した二審・大阪高裁判決を破棄し、元教諭の請求を棄却した。処分は県教育委員会の裁量の範囲内と判断した。

 判決によると、元教諭は柔道部顧問だった2015年7月、上級生のいじめで胸の骨が折れた男子生徒に「階段から転んだことにしておけ」と口止めした。副顧問から校長に伝わり、県教委は、校長の指示に反して加害生徒を近畿大会に出場させたことなどとあわせ、元教諭を停職6カ月の処分にした。元教諭は「重すぎて不当」として16年10月に提訴した。

 最高裁は、元教諭は大会のために主力選手の不祥事を隠そうとし、被害生徒の気持ちをないがしろにしたと指摘。「いじめを受けた生徒の苦痛を取り除くことを最優先に対応すべきだ」としたいじめ防止対策推進法の趣旨に反し、医師の診察も誤らせうる「重大な非違行為」と認定した。

 その上で、「(生徒は)実際に適切な治療が受けられなかったわけではない」などとして処分を取り消した二審判決の妥当性を検討。県教委が免職の次に重い停職6カ月とした処分には「決め方が形式的で直ちに首肯しがたい点はあった」としつつ、いじめを隠すなどの重大さを踏まえれば、「裁量を逸脱するものとまではいえない」と結論づけた。(阿部峻介)