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 被災地を支援しようと思ったら、どんなことに気をつけたらいいのか。過去の災害では、個人が物を送ることで現地の負担になったこともあった。現地の状況やニーズを把握して行動するのが大切だ。

 「一般からの小口の支援物資につきましては、被災地が混乱しており、現在受け入れられない状況です」。熊本県は6日、公式ホームページ(HP)にこう掲載した。

 熊本市の大西一史市長も5日、「被災地に何か支援をと考えておられる方は是非(中略)災害支援金で被災自治体に協力頂けると助かります」とツイッターで呼びかけた。

 被災地では様々な物不足が伝えられるが、災害被災地の支援活動をするNPO法人レスキューストックヤード(名古屋市)は、物よりお金を送ることを勧める。常務理事の浦野愛さんは「個人が被災地に必要な物をタイムリーに送るのは難しい」と話す。

 物流の滞りなどで必要な時期とタイムラグができ、届く頃には足りていたり必要な物が変わっていたりしやすい。保管場所の確保や仕分けにも人手を割かねばならない。「よかれと思ってしたことが負担になりかねない」。2016年の熊本地震や18年の西日本豪雨、阪神淡路大震災や東日本大震災でも、個人が送った物資の仕分けや配送が追いつかず、自治体が苦慮した。

 「被災地などに物を一方的に送ることはやめてほしい」と浦野さん。自治体やNPOなどが個人からの支援物資を募ることもあり、HPなどで確かめた上で送る。募集の明示がない物は送らない方がよいという。「お金なら被災地の状況に合わせて物に換えられる」

 個人が被災地に送るお金には、大きく分けて二つある。

 一つは自治体などが募る義援金。熊本県は6日に受け付けを始めた。寄付したお金は被災者に現金で渡るが、配分の協議などに時間がかかる。

 もう一つは支援金。被災地を支援する団体に寄付し、役立ててもらう。被災者に直接は届かないが、すぐに支援につなげたい場合は有効だ。

 ボランティアも、まず被災地の状況やニーズをつかむことが重要だ。電話応対は被災地の負担になるため、最新情報はできるだけインターネットで調べる。自治体のほか、全国社会福祉協議会(全社協)のHPなどに情報が載っている。

 熊本県人吉市は6日、ツイッターに「当面は熊本県内の方に限り、受け入れを開始するよう準備を急いでいます」と投稿。受け入れ態勢を整えるには時間がかかる。コロナ禍で従来の活動ができないことも予想される。全社協は「感染拡大を防ぐために、県内など狭い範囲からの募集になる」としている。「今回の被災地域は高齢者の割合も高く、感染の広がりが住民の命を脅かす事態を生じさせかねません」などとHPに記し、理解を求めている。(田中陽子)