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 熊本県南部に豪雨をもたらした梅雨前線は6日、九州を北上し、各地で川の氾濫(はんらん)や浸水を引き起こした。気象庁が5段階の警戒レベルのうち最も高い大雨特別警報を、福岡、佐賀、長崎3県に出したほか、九州の7県すべてで一時、避難指示が出された。

 水没した特別養護老人ホーム千寿(せんじゅ)園(熊本県球磨(くま)村)では、心肺停止で見つかっていた入所者14人の死亡が新たに確認され、午後7時現在で死者は計49人となった。

 熊本県の死者は球磨村17人、人吉市17人、芦北(あしきた)町10人、八代市3人、津奈木(つなぎ)町1人と住所不明1人。心肺停止は人吉市で1人、ほか計11人が行方不明になっている。

 広範囲が冠水した球磨川流域では6日、被災者の生存率が著しく低下するとされる「72時間」が迫る中、警察や自衛隊、消防が行方不明者の捜索を続けたが、激しい雨による悪天候で一時ヘリの活動が制限された。

 県によると、6日午前6時時点で159カ所の避難所に1912人が避難した。道路の寸断により孤立状態にあるのは、6日午前10時現在、8市町村の約3800世帯。球磨村は全域が孤立し、370世帯で電気、水道、電話が通じていないという。

 6日は九州南部に加え、北部でも猛烈な雨が降った。鹿児島県によると、南さつま市の新聞配達員の60代男性が行方不明という。佐賀県太良町では住宅に裏山の土砂が流れ込み、80代の男女2人が軽傷。福岡県大牟田市では、済生会大牟田病院の周辺が大人の胸の高さまで冠水。夜時点で入院患者や職員ら200人近くが2階以上に避難し、孤立状態だという。

 土砂災害の危険が高まっているとして、各地で避難指示が出された。対象は6日夕時点で、熊本県で人吉市や球磨村などの20万人以上、福岡県で久留米市などの40万人以上、長崎県で長崎市などの40万人以上に及んだ。広島県でも広島、大竹両市の計約5万2千世帯に避難指示が出された。