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 のど元過ぎれば熱さ忘れる、では終わらせない。昨秋のラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の大会報告書が完成し、開催自治体などに配られた。想定以上の盛り上がりに沸いたW杯だが、成功体験にとどまらず、開催に不安を募らせた国際統括機関ワールドラグビー(WR)とのあつれきや運営の課題も赤裸々につづられている。来年に延期された東京オリンピック(五輪)・パラリンピックにもつながる内容だ。

 報告書は260ページ超の5章立て。招致が決まった2009年度から年度ごとの準備状況と42の部局の業務内容が中心になっており、「運営で得た気づき・学び」という項目では、準備、開催の過程で浮き彫りになった課題が率直に記されている。編集に携わった大会組織委員会(3月末で解散)の関係者は「次に日本でW杯が開かれる時、日本で国際スポーツイベントを開く時の教訓になるようにしたかった」と話す。

 最終的に68億円の実質黒字を計上したが、活動が本格化した14年度に当初予算を策定した際は組織委内部でも財政的な成功は困難とみられていた。「当時のラグビーの集客力からすると、チケット販売200万枚、収入約320億円という(目標)数字は非常に高いハードルだった」と書かれてある。

 翌15年度には大きな危機が訪れた。開幕戦と決勝の開催を予定していた新国立競技場の建設計画が白紙撤回され、使えなくなった。報告書に記載はないが、WRからは開催国の変更を示唆された。

 新国立が会場から外れ、チケット収入の見通しは320億円から230億円に。減収分を宝くじ協賛金と日本スポーツ振興センターの追加支援で賄うことで何とかWRの理解を得た。その年の秋にあったW杯での日本代表の活躍も後押しとなった。

 16年度にはWR側との情報交換を密にするための会議体が発足。「マーケティングとチケッティングの戦略が整合しないなどの理由で、組織委に懸念の表明があった」(17年3月)「水準を満たすキャンプ地を会場から30分以内に確保できない会場が2カ所あり、試合会場から除外する可能性をWR側が言及」(同9月)。間違いなく混乱を招く「会場削減」の可能性が示されるなど、苦難の歴史は淡々と記された。

 報告書では、WR側との関係構築の難しさが繰り返し指摘されている。

 日本には大規模国際大会の運営…

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