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 指定暴力団工藤会トップで総裁の野村悟被告(73)とナンバー2で会長の田上不美夫被告(64)の第48回公判が7日、福岡地裁であり、2014年の歯科医師襲撃事件が引き続き審理された。歯科医師の治療にあたった救急医が証言。胸付近の傷について「あと1、2センチずれていれば心臓や肺を損傷することは十分あり得た」とし、死亡する可能性もあったと述べた。

 起訴状によると、両被告は実行役らと共謀し、14年5月26日、北九州市小倉北区の駐車場で、歯科医師の足などを刃物で刺すなどして殺そうとしたとされる。歯科医師の父親は北九州市の漁協幹部。検察側は、漁協が持つ港湾関係の利権への参入を狙った工藤会の犯行と主張している。

 救急医は、傷が致命的だとする救急隊の要請で現場に赴いた。歯科医師は救急車内で治療を受ける際、目を見開いて「僕は死ぬのか。死にたくない」と話したという。左の太ももから大量に出血し、圧迫止血をしても止まらない状態だった。血圧が急激に下がり、出血性ショックにより心停止する恐れもあったという。

 救急医によると、傷は胸部や腹部、背中などに8カ所。長さ6センチ、深さ7センチの傷もあり、凶器は「深く刺せる鋭利なもの」と指摘し、刃渡りは7センチ以上と考えられると述べた。複数の傷は凶器が骨に当たって止まったと証言した。