拡大する写真・図版岐阜県高山市中心部を流れる宮川は、激しい濁流となった=2020年7月8日午前8時1分、岐阜県高山市上三之町、山下周平撮影

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 停滞している梅雨前線の影響で8日午前、西日本から東日本にかけて局地的に非常に激しい雨が降った。気象庁は同日朝、岐阜県と長野県に大雨特別警報を発表。正午前にすべて大雨警報に切り替えた。9日にかけて広い範囲で大雨となるところがある見込みで、土砂災害や河川の氾濫(はんらん)などに各地で厳重な警戒が必要という。

 8日午前までの24時間降水量は岐阜県下呂市で414・0ミリ、高山市309・0ミリ、大分県杵築市276・0ミリ、玖珠町310・0ミリを記録し、いずれも観測史上最大となった。岐阜と長野の県境付近では地震活動が活発な状態が今年4月から続いており、気象庁は8日朝の記者会見で「地盤が緩んでいるところがあり、二重の警戒が必要」と呼びかけた。

 また8日午前までに、鹿児島県鹿屋市で1時間降水量81・0ミリの猛烈な雨となった。山口県周防大島町や岐阜県下呂市、徳島県三好市、大阪府能勢町でも1時間に70ミリ前後の非常に激しい雨が降った。

梅雨前線は停滞、活発な活動続く見込み

 九州に大雨をもたらしていた南からの暖かく湿った空気が、東海や近畿に入り込むようになり、大雨の範囲が本州にも広がっているという。梅雨前線は10日ごろまで西日本から東日本に停滞する見込みで、活発な活動が続く見込み。

 9日正午までに予想される24時間降水量は、多いところで、東海200ミリ、九州南部180ミリ、四国と近畿地方150ミリ、関東甲信100ミリ、九州北部80ミリ、北陸と東北50ミリ。10日正午までの48時間では多いところで、九州南部300~400ミリ、四国200~400ミリ、東海200~300ミリ、九州北部と近畿、関東甲信150~250ミリ、北陸と東北50~100ミリと予想されている。(山岸玲)

下呂市で飛騨川氾濫

 下呂市によると同市萩原町で飛驒川が氾濫(はんらん)し、床上浸水1件、床下浸水14件を確認した。午前7時50分現在、けが人は確認されていないという。

 JR東海は大雨の影響で東海道線や中央線、高山線、飯田線で早朝から運転を見合わせた。名鉄三河線やJR関西線でも運転を見合わせる区間があった。

 中日本高速道路によると、東海北陸道の一部区間などは早朝から通行止めになっている。今後、東名高速や新東名高速でも通行止めが予想されている。

 下呂市萩原町で中古自動車販売店を経営する男性(41)は「店のまわりは浸水していないが、従業員と手分けして、早朝から約40台の車を高台に避難させた。ようやくメドがついたが、早く雨が収まってほしい」と疲れた様子で話した。

 岐阜県下呂市で喫茶店を営む男性(75)は「さっきまで土砂降りだったけど、今は落ち着いた」と周囲の状況を話す。

 店は国道41号沿いにあり、普段通り開店準備をしたという。「国道を車が全く通らず、静か。いつもなら午前中は10人か15人ほどが来てくれるが、休業の状態です。今日は店をやめとこうかなと思っているところ」と話した。