SBIの地銀連合「10行まで増える」 北尾氏が構想
ネット銀行や証券を展開するSBIホールディングス(HD)の北尾吉孝社長が朝日新聞の取材に応じ、現在進めている地方銀行の「連合構想」について、10銀行まで提携先を広げる方針を明らかにした。「10行は時間の問題。9月ごろまでに決着がつく」とし、その後はいったん拡大を止め、各行の再生を本格化させるという。
SBIは昨年9月、島根銀行と資本提携し、グループとして34%を出資。その後、福島銀行(19・25%出資)、筑邦銀行(福岡、3%出資)、清水銀行(静岡、3%出資)と立て続けに地銀と提携している。SBIはこれらの地銀に出資する持ち株会社として、新たに「SBI地銀ホールディングス」を設置しており、今後同社は現在の4行から10行にまで出資先を増やす方針だという。
人口減と日本銀行の金融緩和による超低金利で、各地の地銀は経営に苦しんでいる。提携した地銀は、ネット証券や住宅ローンで実績があるSBIのITノウハウに期待し、SBIは各行の経営再生で収益を拡大させることを狙う。
北尾氏は、提携先の地銀再生のカギはシステム費用を減らすことと資産運用にあると指摘。具体策として、預金や振り込み、為替など銀行の基幹業務を担う「勘定系システム」をSBIの低コストのシステムに切り替えるほか、今後の新紙幣発行までに各行のATM(現金自動出入機)を共通化することも検討する。SBIのサービスを使って個人間の送金手数料の引き下げもめざすという。
融資ではAI(人工知能)を活用した審査で効率化を促す。SBIが各行の預金の資金運用を担うことも検討しているという。
SBIは4行以外でも、5月に大東銀行(福島)の株式を議決権ベースで17・14%取得して筆頭株主となった。ただ同行については、一連の連合構想には入っていないという。北尾氏は株式取得について、「いろんなところから頼まれて善意でやった」とし、構想に含めるかは「相手(大東銀側)の出方次第だ」とした。(笠井哲也、柴田秀並)
北尾社長に地銀連合構想を聞く
地銀連合構想を掲げるSBIホールディングスの北尾吉孝社長との主なやりとりは次の通り。
――地銀連合構想は、今後どう進めていきますか。
「(提携先が今の4行から)…

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