拡大する写真・図版米ミネアポリスで警官から首を圧迫されて死亡したジョージ・フロイドさんの追悼式に参加した弟のテレンスさん(中央)=6月4日、ニューヨーク、藤原学思撮影

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 ブラック・ライブズ・マター(BLM、黒人の命は大事だ)――。黒人差別撤廃を求める運動が、異例の規模のうねりを生み出している。米国社会に深く根ざした差別に、なぜ今、怒りと抗議の声が広がったのか。怒りは社会をどう動かしていくのか。

社会正義の訴え、分断加速のジレンマ 慶応大学教授の渡辺靖氏

拡大する写真・図版渡辺靖・慶応大学教授

 白人警官が黒人を暴行死させた事件への怒りを発端に、警察改革、トランプ大統領の対応への批判、さらに歴史認識の問題へと広がっているBLM運動は路上のみならず、ツイッターなどSNS上でもうねりになりました。

1967年生まれ。文化人類学・米国研究専攻。著書に「アフター・アメリカ」「白人ナショナリズム アメリカを揺るがす『文化的反動』」など。

 1960年代の公民権運動以来とも形容されますが、キング牧師のようなカリスマ的指導者はいない。米国史に根ざした制度的な人種差別を問題にしながら、デモ参加者には白人も多く、黒人対白人という構図でもない。中心はミレニアル世代(81~96年生まれ)で、彼らの社会正義の感覚から告発・批判しています。

 その正義の感覚は、世代的な経験によるところが大きいでしょう。彼らの多くにとって、アメリカンドリームは物心がついたころから成立していません。米国史上最長とされる好景気は実感を伴わず、親世代と同じ水準の生活を維持するのは難しいと思っている。

 一方で日常生活や文化などを通…

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