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 将棋棋士にとって和服は、タイトル戦など重要な対局の時に身を包む、いわば勝負服だ。棋聖戦と王位戦というダブルタイトル戦に挑戦者として登場している高校生棋士、藤井聡太七段(17)。その和装にも注目が集まる。

 「私が知っている限り、藤井七段は和服を4着持っているはず」と教えてくれたのは、師匠の杉本昌隆八段だ。うち2着は、杉本八段がプレゼントしたものだという。

 和服を贈ろうと思ったきっかけは、藤井七段が昨年、「第40回将棋日本シリーズ JTプロ公式戦」への出場権を獲得したこと。将棋日本シリーズはタイトル保持者や賞金獲得ランキング上位者ら計12人しか出場できない、いわば将棋界のオールスター戦のような晴れ舞台。出場棋士は和服姿で対局するのが慣例だ。

 杉本八段によると、昨年5月の連休中に、藤井七段のために、母や将棋関係者らで京都の店へ買いに行ったという。まず選んだのは、春秋用の和服。「でも、将棋日本シリーズの対局は8月に福岡市で。暑いだろうと思って、もう1着、夏物もプレゼントすることにしました」と明かす。

 「藤井七段に似合う色を、と考えました。また、着物の袖が短い方が将棋盤の上の駒に引っかかりにくくて、指しやすい、などと考えながら選びました」とも。

 和服は値は張るが、「必ず近いうちにタイトル戦にも登場するだろうと確信していましたから。絶対、この和服は無駄にならない。自分のものなら買わないけど、弟子へのプレゼントは惜しくない」と思ったという。

 師匠が贈った夏物の和服に、藤井七段は将棋日本シリーズの対局で袖を通した。さらに今年6月28日、東京都渋谷区の将棋会館での第91期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第2局でも着用。藤井七段にとってタイトル戦での和服姿は、この時が初めてだった。「自分が贈った和服を着て、タイトル戦を戦っている姿を見て、感無量の思いでした」と杉本八段。

 杉本八段が藤井七段に2着を渡したのは、昨年の6~7月ごろという。そのとき、杉本八段は冗談まじりに「夏物は、夏に行われるタイトル戦に登場しないと、着る機会が無い。夏のタイトル戦を頑張るように」と言い添えた。藤井七段が初挑戦を決めた棋聖戦五番勝負は例年6~8月の開催、2番目に挑戦を決めた王位戦七番勝負は例年7~9月の開催。どちらも、夏のタイトル戦のイメージが強い。

 「あの言葉をかけなくても、タイトル戦に出ていたとは思いますが、(夏物もドンドン着て欲しいという)私の思いをくみ取って、見事に実現してくれた」と喜ぶ。

師弟対決で和服を着た杉本八段。「自分にはタイトル戦に等しいから」というほかに、弟子への思いを込めていました。

 師弟の和服にまつわるエピソー…

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