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 新型コロナウイルスの感染拡大に対応するため、県は今月中旬にも、健康福祉部に感染症対策に特化した二つの課を新たにつくる。検査態勢もさらに拡充する方針で、古田肇知事は「小康状態の今こそ、第2波、第3波に耐えうる備えを確保しておくことが必要」と話している。

 6月23日に開会した6月県議会の一般質問では、新型コロナウイルスの感染拡大をどう防ぐかについて、質問が集中した。

 県は、県内の感染者がまだ1人だった2月26日、感染防止対策や検査態勢の拡充を担当する「感染症対策チーム」と、事業者への休業協力要請や行動指針の策定を担当する「政策連携チーム」を臨時に立ち上げ、業務にあたった。

 新たに設ける感染症対策推進課と感染症対策調整課(ともに仮称)は、2チームにいた職員を中心に計約50人を配置。司令塔となる健康福祉部次長は、2人から3人に増やす。

 「感染症対策を県政の最重要課題の一つとして位置づけ、予算、人員等を重点的に配分し、その対策に取り組む」などとした県感染症対策基本条例も、今議会で成立する予定。古田知事は「条例の趣旨を実現するためにも新たな組織体制を整備したい」と話す。

 一方、県のPCR検査の態勢について、一般質問では議員から「医師が必要と判断した場合は検査をしていると言っていたが、まったく違う実態が報告されている」との指摘があった。

 県保険医協会が5月1日~13日、県内の1343の医療機関に実施したアンケートでは、保健所などにPCR検査を依頼した医師133人のうち97人が、検査拒否の経験があると回答している。

 「保健所関係者も県も、驚きを持って受け止めた」と健康福祉部の堀裕行次長は答弁。「県保険医協会からも近日中に直接話を聞き、今後に生かしたい」と話した。

 県内では7月7日現在、保健所の行政検査、医療機関の院内検査、地域のPCR検査センターで1日最大464件の検査ができる(LAMP法なども含む)。

 4月中旬の行政検査数は、1日最大120件。岐阜市のナイトクラブや飲食店でクラスター(感染者集団)が確認され、県内の感染者はピークだった。検査が100件を超えた日は5回あり、例外的に161件の検査を行った日もあった。

 県は今後、行政検査や院内検査を強化して600件以上の検査をめざし、濃厚接触者で症状があるなど感染の疑いが強い場合は、医療機関での抗原検査も並行して実施するとしている。

 古田知事は「感染の拡大期においても十分な検査を実施できる態勢の確保に努めていきたい」と話した。

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 岐阜県内の理容所、美容所、施術所(約9500事業所)に対して、県は今月にも、それぞれ10万円の支援金を支払う方針を明らかにした。新型コロナウイルス対応の特別措置法に基づき、県は休業要請に応じた飲食店などに協力金50万円を支払っているが、理容所などは対象外だった。業界団体から要請があったという。

 6月県議会に提出した一般会計補正予算案に9億5200万円を計上。可決後に申請書類などを郵送する。

 県生活衛生課は「各事業所が購入したマスクや消毒液、フェースシールドなどの対策経費や、今後の再流行に備えた対策に充ててほしい」としている。(松沢拓樹)

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●休業協力要請に伴う協力金

<対象>県の要請を受けて4月18日から5月6日まで休業した中小事業者。映画館やナイトクラブ、パチンコ、ゲームセンター、夜間営業を自粛した飲食店などを含む

<支給額>1事業者あたり一律50万円

<支給件数>1万5191件を支給決定

●理容所、美容所、施術所への支援金

<対象>約9500事業所

<支給額>1事業所あたり10万円