選挙人の「造反」認めず 米大統領選めぐり最高裁が判断
ワシントン=香取啓介
米大統領選で、一般有権者の投票に基づき、正式に正副大統領を選出する各州代表の選挙人が、「造反」して、自分の意思で投票することは認められるのか。米最高裁は、「造反」選挙人に罰金や交代を求めた州の決定を「合憲」とする判断を6日示した。
政治的分断が深まる中、11月の選挙結果によっては混乱が長引く可能性が指摘されている。大統領選の制度は複雑で、選挙人の造反で当選者が変わる可能性もあり、最高裁の判断が注目されていた。
大統領選は有権者の一般投票の結果ではなく、人口に応じて割り当てられた計538人の「選挙人」が正式に決める。大半の州では、一般有権者の投票で、一票でも得票が多い候補の所属する政党がその州の全ての選挙人を指名。選挙人は正式に正副大統領を選出する際に、その州で最多得票の候補に投票することが求められている。
ところが、トランプ大統領が初当選した前回2016年の大統領選では、10人の選挙人が「造反」。一般投票結果とは別の候補への投票を表明した。ワシントン州は造反した選挙人に1千ドルの罰金を科し、コロラド州は、別の候補に投票しようとした選挙人を交代させた。
選挙人側は「不適格な候補者…